嫌いなことからは逃げていいけど、逃げる前にこれだけは考えてみてほしい


ブロガーさん関連の情報をいろいろ見ていると、大抵の人は会社員をやりながら、もしくは会社員を辞めてフリーになって書いている感じなのかなと思いました。

で、結構見かけるキーワードの一つに「嫌だと思う事をやっている時間があるなら、そこから逃げて、やりたい事に時間を使った方が良い」というものがあります。

時間は数少ない希少価値のある資産なので、激しく同意です。

昔ブルーハーツの曲でも「やりたくねえこと、やってる暇はね〜え〜」という歌詞があって、それをよく聞いていたので、嫌だと思う事からは逃げて良いというのも極めて同意です。
  
  
ただ、最近になって過去を振り返ってみたとき、逃げる前に、一回だけは試みても良いんじゃないかな・・・と思ったことがあったので、今日はそれについて書いてみたいと思います。

「何となく嫌」から「○○の部分が嫌」へ

僕が会社員だった頃、職種的にはシステムエンジニア(通称SE)をやっていました。

しかしあるときに、「営業もやれ」という状態になったことがあったのです。

”も”という部分がポイントで、要は自分で仕事を取ってきて、自分でものを作れということです。
  
  
多くの人がそうかもしれませんが、私は営業に対して苦手意識MAXでした。

自分がセールスをされるのが苦手だったので、自分がされて嫌だと思う事を、他の人にやらないという、幼稚園児でも言ってわかるレベルの理由からです。
  
  
ただその時は嫌だからといって逃げたいとも思ったのですが、同時に「嫌なことを徹底的にやり切ってみたら、どんな感じになるんだろう…?」という探究心的な気持ちが思い浮かんだのです。
  
  
そして、全くやったこともなかった飛び込みでの電凸をしまくりました。

すると、自分が想像していた以上に、嫌疑的な対応をされることがない事に気がつきました。

僕が関わっていた業界が農業分野で、かつ農学部卒ということで、業務知識がそれなりにあって会話が通じる状態だったので、いわゆるラポール形成が思っていた以上に、きちんと成されたのです。

もちろん、嫌疑的な対応もされましたが、たとえば「忙しいときにかけてくるな」というものだと、その会社の繁忙期や繁忙時間帯というものがあって、そこを避けてかけ直せば、きちんと会話は成立したりするのです。

さらに言えば、そこで顧客の業界常識を知ることができるので、それはそれで勉強になったのです。
  
  
ただ、今もう一度、電凸やれと言われたら、絶対にやらないです。それは感情的なものではなく、時間投資に対する自分のセールス力、それ以外に持っている力それぞれのバランスを考えると、他の人に委託した方が高いパフォーマンスになるということが体感的にわかるようになったからです。
  
つまり、ただ何となく営業は嫌だ・・・と思っていたことに対して、具体的にどの部分が嫌なのかということが感覚的にわかるようになったのです。

同時に、自分がされて嫌だと思っていたセールスは、ストレートに言って「ド下手なセールス」だったから嫌だと思っていたことにも気づけました。

完全に逃げまくってしまうと、機会損失が生まれる

そして、この経験をしてから2年後、僕は本を出版しました。

そのときに、自分の本を書店に置いてもらうために書店営業をするということを知りました。

たぶん、この経験をしていなかったとしたら、書店に飛び込みで営業など、絶対にできなかったと思います。

営業するにあたって、何を事前に知っておき、書店員さんに対してどういう配慮をすれば良いかなど、その時の経験がなければ、何も考える事ができず、やみくもに書店に行って「迷惑だ」と怒られて帰ってくるだけで終わっていたでしょう。
  
  
実際、書店営業をきちんとやっている著者さんはかなり少ないそうです(書店員さん談)。

僕は有名人というわけではないので、書店員さんになかなか顔を覚えてもらえないですが、,少なくとも「自分の本を売ってほしい」という意思表示をしないと、書店員さんにその思いは絶対に伝わらないわけなので、飛び込みで書店営業ができるメンタルを持てていたことは、かなり大きかったんじゃないかと思っています。
  
  
完璧に逃げ切ってしまっていると、そのルールを構築するための気づきや学びの機会を失うという見方もできます。

トレードをやっている人ならお分かり頂けるかもしれませんが、機会損失はある意味で資金が減る事以上のリスクになり得ます。

資金を増やす(自分を成長させる)キッカケがないということは、現状維持か資金が減る事しかないことになりますので。。。

まとめ

嫌なことをずっとやり続ける必要は全くないのですが、一回だけは「嫌いなことをやり切ったら、その先に何があるのだろう?」と考えてみて、好奇心のような気持ちに変えて、とりあえず一度だけはやってみると良いのかなと思います。

それによって、何となく嫌だということではなく、具体的に何が嫌なのかを明確にしておくと、また似たような状態になったときに、自分なりの線引きルールを持つことができるようになります。
  
  
余談になりますが、「自分で仕事を取ってきて、自分でものを作れという」状態に私もなっている!という人がいらっしゃいましたら、個人商店をやっているのと大して変わらない状態なので、従業員として雇用契約を結ぶのと独立フリーになって業務委託契約を結ぶこと、どっちがメリット大きいのかは見極めた方が良いと思います^^;



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角田 和将(Tsunoda Kazumasa)
角田 和将(Tsunoda Kazumasa)
速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト(CFTe®)

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は15冊で33万部超え。
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