認定テクニカルアナリスト試験の受験体験記(一次試験と二次試験)


こんにちは、角田でございます。

特に誰かに伝えていたわけでもなかったのですが、一昨年より日本テクニカルアナリスト協会(以下、NTAA)が実施している認定テクニカルアナリスト試験を受けておりました。

で、一昨年に一次試験、昨年二次試験に無事合格いたしました。
  
  
基本的に私が試験対策を考えるときは、ネット上で受験体験記など、いろいろ下調べをしています。

しかし今回の試験、出てくる情報が一次試験のものばかりで、二次試験に関する記事は10年以上前のものが数件出てくる程度…。元々「二次試験まで受けよう」とする人が多くないこともあるので、参考になる情報はほとんど見つからなかったのです。

しかも、ネット上に出ている情報が思いっきり間違っているものが検索上位に出てくるなど、対策イメージがとにかく作りにくかった印象もありました。

「だったら、今回の経験はネット上に残しておいたら参考になる人がいるかな…?」と思い、今回は記事にして残しておこうと思った次第です。
  
  
一応、一次試験のことも少し触れておきますが、二次試験に関する内容をメインにまとめておきたいと思います。

基本的な試験概要などは試験主催元のNTAAのホームページを見るのが確実だと思いますので、そちらを見ていただければ<(_ _)>

今後、受験される方の一助になれば嬉しい限りです。
  
  

認定テクニカルアナリスト試験の概要について

  

<受験スケジュールで注意したほうがいいこと>

私が受けたときは、一次試験は年2回(夏と冬時期)、二次試験は年1回(秋頃)の開催となっていましたが、もし最速で二次試験合格を目指す場合は、一次試験を冬に受ける流れでスケジュールを考える必要があります。

一次試験、二次試験ともに、受験条件として「NTAAの通信講座5ヵ月を受講し、毎月の課題(5回分)を全部提出すること」があります。

二次試験用の通信講座の受講期間は、私の時で4~8月の期間。つまり、夏の一次試験を受けている時点で、二次試験の通信講座を受けることはできず、次回の二次試験用の通信講座の受講開始までの期間が数ヶ月(半年くらい?)空いてしまうことになるのです。

そのため、最速で二次試験までの合格を目指す場合は、夏(6~10月)に一次試験の通信講座を受講して、12~1月頃に試験を受けて合格できると、2~3月に二次試験の通信講座申し込みができるので、スムーズに進めることができます。

私は特に気にせず、思い立ったタイミングで受講を決めたので、夏に一次試験を受験して、ブランク期間が半年近くある状態での二次受験となりました…。
  

<受験概要は公式ホームページ以外は当てにしない>

  
検索上位で出てきたあるサイトで「テキスト持ち込みOKだから、簡単な試験」とか書いていましたが、嘘も大嘘、真逆です…。

試験案内でも思いっきり「テキストの持ち込みは禁止」と書かれていますので、騙されないようにご注意ください。
  

一次試験の勉強方法

<一次試験対策は通信講座の課題にとにかく集中>

  
基本は毎月提出が必要となる課題に取り組むことで十分かなと思います。特に株でテクニカルの勉強をしたことがある人ならば、そんなに難しくはないと思いますね。

ただFXでしかテクニカルの勉強をしたことがない人は、ひょっとすると出来高や株価評価などの知識にあまり詳しくないかもしれないので、そのあたりは追加での勉強が必要になるかもしれません。
  

<旧版テキストと新版テキストの違い>

私が受けた時期(2019年5~9月)の次の受講期間の通信講座からテキストが大幅改訂されました。2次試験の通信教育講座を受講する際に、新版のテキスト(一次対策用)も送付されてきたのですが、個人的には旧版のほうが使いやすい印象を持っています。

先に旧版で勉強していたからかもしれませんが、印象としては新版のテキストは「広く、浅く」、旧版のテキストは「程々に広く、程々に深い」感じで、2次対策のときも参考のメインになったのは旧版のテキストでしたね。

ただ最初から新版のテキストで勉強してきた人にとっては、「新版のほうが使いやすい」となるかもしれないので、あくまでも個人的な一意見として、ご参考までに。
  

一次試験の当日について

<一次試験の会場の雰囲気>

私が受験したときの会場は、秋葉原にあるTKPでした。コロナ前のときではありましたが、席の間に比較的余裕がある感じがいたしました。

試験開始後30分間と試験終了15分前から終了までの間は退室不可で、それ以降は終わったら退席してOKでした。試験終了30分前くらいになると、結構多くの人が終了して退席していた印象がありました。私も試験終了20分前くらいに、見直し含めてすべて終了したので、退席しましたね。
  

<事前に考えた戦略>

当日の戦略として、個人的にエリオット波動とファンダメンタルズに関する部分は苦手意識があったので、最初から捨てて考えていました。極端な話、○×で50%の確率では正解するわけですし、他の分野でキッチリ点が取れれば、それだけで十分合格点は狙えると思ったからです。

資格試験は満点を目指すのが目標ではなく、合格することが目標です。合格点以上をより高い確率で取ることを目指す戦略を考えることは、どの試験でも重要なことだと思います。
  

一次試験の難易度(独断と偏見)

<通信講座の課題と同じか類題が多い印象>

試験問題は課題で出ていた問題と同じ問題もちょこちょこ見られましたが、それだけ押さえても合格点までは至らない程度の量で、絶妙なバランスだった印象です。

もちろん、課題と同じではないと言っても、似た問題ではあるので、きちんと課題を使って学んでいれば、合格点は十分取れると思います。
  

<知識よりも国語力のほうが重要?>

  
○×選択の問題なので、知識そのものを問うというよりは、文章で引っ掛けて正解率を下げようとしている感がある印象で、国語力というか、知識を答えるのとは違う意味での注意が必要かもしれません。
  

二次試験の勉強方法

  

<一次試験同様、通信講座の課題を軸に進める>

NTAAのホームページに例題が出ていますが、まさにこんな感じで、知識を問う問題を2問、あとはチャート分析した結果を論述する問題、計3問を解くことになります。

(NTAAのホームページ:二次試験通信教育講座(例題))
https://www.ntaa.or.jp/certification/shikaku_2nd/reidai_2nd?me=1
  

<模範解答と自分の解答文の差を探っていく>

勉強方法の基本は「練習問題を解いて、返送されてきた採点結果と模範解答を比較する」の繰り返しでした。

二次試験用のテキストを使うというよりは、練習問題を解いて、曖昧になっている部分を一次試験の通信講座のテキストで確認する流れですね。

模範解答が届いたら、採点ポイントとその表現方法、自分の論述表現との違いなどを確認して、次回の課題に備えるといった感じで、採点者の模範解答の雰囲気というか、文体に慣れる意識を持ちながら取り組んでいました。
  

<2次試験用のテキスト内容は試験ではあまり出ない?>

2次試験対策の通信講座のテキストは、試験対策向けというよりは、テクニカルアナリストとして実際に活動する上で知っておいたほうがいい情報が載っている、という印象でした。

例えば「HFT(超高速取引)」に関することなど、提出課題の問題や本試験では出てこなかった内容(※今後はわからないですよ)ですが、実務上は知っておいたほうがいいことがいろいろと書かれています。

今後、提出課題の問題などで出てきた場合は活用することもあると思いますが、今回の私が受けた課程では、試験対策として使うことはなかったのが正直なところです。
  

二次試験の当日について

  

<二次試験の会場の雰囲気>

試験会場は新御茶ノ水駅近くのTKPでした。ウイルス感染対策のために、かなり広い会場で、ソーシャルディスタンスが保たれる中での受験でした。換気のために複数ある入り口ドアを全開放していて、空気のこもった感じもなく、とても快適でしたね。

一次試験のときとは異なり、受験票が電子化(QRコード)され、PDF印刷しなくても、スマートフォン上で提示すればOKとなっていました。個人的には紙で持ち歩くのはあまり好きではないので、何気にありがたく思いました。

当日は新型コロナの影響で、「体調不良に伴う欠席の場合は、翌年開催の受験を認める」という案内が事前に出ていました。その関係か、「結構欠席の場所があるなあ…」という印象でした。
  
  

<試験当日に出題された問題>

試験問題は3問の問題に対して解答することになります。なお問題1、2はテクニカル知識に関する問題が、それぞれ3問ずつ問題が提示されており、その中から1問ずつ、自分で選択して回答することになります。

問題1と問題2の違いは、問題1は「広く、浅く」、問題2は「狭く、深く」といった感じでしょうか。

それぞれの問題で難易度の差はないと考えていいレベルだと思います。問題を見て、自分が得意な分野のものを解答すれば、そんなに苦戦することはないかなと。

ただ問題1と問題2は解答文字数に制限があるので、通信講座の課題提出を通じて、簡潔に文章をまとめる練習をしておく必要はあると思います。

問題3のチャート分析問題は必須解答となります。私が試験を受けたときにはアナウンスがありましたが、問題3の得点が40点満点中23点(※多少ズレてるかもしれません><)以上が取れていないと、問題1、2の解答が満点であっても不合格となるので、チャート分析問題にどれだけ心血を注げるか?で合否は決まると思います。問題3については解答文字数の制限はないので、解答は盛りやすいかもしれません。
  
  

<事前に考えた戦略>

二次試験の戦略としては、最初に問題3のチャート分析問題を全力で回答し、問題1、2の知識系問題は残った時間で解答する戦略を取りました。

問題3が基準点以上の得点が取れていないと、問題1、2が満点であっても不合格となる条件があったためです。

さらに言えば、問題3で分析するチャートは月足、週足、日足の3つを分析することになり、かつそれぞれの時間足で表示されているテクニカル指標が異なり、それぞれの指標に対する概要や特徴にも触れていくとなると、かなりの記述量になります。

通信講座内の練習問題は月足、週足、日足いずれかの1チャートのみで毎月課題提出となり、本試験とボリューム感が違うので注意してください(今後は変わるかもしれませんが…)。

あと、この試験に限りませんが、そもそも知識系の問題って「知ってるか、知らないか」で回答できるかが決まるので、考え込んで答えるものではないはずなんですよね。論述試験なので、文章の書き方などを考える必要はあるかもしれませんが、回答ポイントとなる知識が記述されていれば加点されると想定して挑みました。
  
  

二次試験の難易度

  

<時間は想像以上に足りない感覚>

二次試験の試験時間は180分(3時間)ありますが、記述量を考えると、全然足りなくなる想定をしておくほうがいいかもしれません。

私も最後の0.1秒まで、ひたすら書き続けていました…。

記述内容を修正する場合も、基本は消しゴムで消して書き直しとなりますし、デジタル社会の現代では3時間ずっと手書きを続ける機会はないので、疲労感もかなり蓄積すると思われます。

問題用紙の余白に、予め何を記述するか箇条書きにしておいて、解答用紙に書くときは「清書」という意識で書けるようにするなど、何かしら対策は打っておいたほうがいいと思います。
  
  

<通信講座のフォロー講義動画は必聴!>

毎回あるのかが不明ですが、私が講義を受けていた時には通信講座内で試験対策に向けた講義動画が配信されていて、これをしっかり受講しておくのが記述対策としては最良だと思います。

大体、月1回ペースで、たとえば「移動平均線」とか「出来高分析」といった感じで、設定されたテーマに対して、いろんな講師の方が講義をしている動画が配信されていました。

私は最初、この配信動画の存在を知らず、テキストだけを見ながら課題提出していたのですが、全然点数が取れず、「これ、一発合格は難しいかも…」と思っていました。ただ講義動画の話を聞くことで、回答のコツみたいなものが見えたおかげで、合格に至れたと思っています。
  
  

<チャート分析の論述のコツ>

問題3のチャート分析レポートは、現状分析2割、表示テクニカル指標の概要説明1割、将来想定7割くらいの文章構成にするといいのかなと思いました。

試験当日、試験官の方も「チャート分析は、できるだけ将来想定の部分を多く盛るように意識してください」と話されていて、通信講座の課題に対する模範解答でも「現状分析で終わっているレポートが多すぎる」というコメントもあったので、ここは特に注意したほうがいいポイントなんだと思われます。

今後の見通し分析については、例えばN計算やE計算、フィボナッチ、価格変動に周期性が見られる場合はサイクル分析などの観点で語っていく感じでしょうか?

あくまでも、「見通しが合っているかどうかは関係ない」と通信教育講座内でも伝えられており、見通しとして想定される状況をどれだけ多く挙げることできるのかが、技量として見られるポイントになっていると思われます。

問題1、2の知識系の問題については、通信講座の提出課題問題で出ていた内容をしっかり復習しておけば、対策としては十分かなと思います。ここでいう“しっかり”は、模範解答を一字一句暗記するレベルとお考えいただければ。
基本的に「丸暗記して対策できる試験はそんなにない」という考えを私は持っていますが、この試験の問題1、2に関しては例外と考えてもいいかもしれません。
  
  

最後に(テクニカルアナリスト資格を持つメリットなど)

  

<合格しても会員にならないと資格を名乗れないデメリット>

資格を名乗るにはNTAA会員になる必要があります。

試験に合格していても、会員でないと認定テクニカルアナリストを名乗る(名刺などに載せることも含めて)ことはできないとされています。その会費が年間17000円(2021年1月現在)という価格で、価格に見合うだけの利用頻度があるかは考えてしまうところかな…と思います。

「資格取れるだけのスキルあるんだから、トレードでそのくらい稼げよ」という考えもある気はしますが、まあ人それぞれではないかと。
  
  

<投資トレードの情報発信をする人は持っていて然るべき資格>

対外的に一定レベル以上のスキルがあることを客観的に示す意味では、あって損はないかなと思います。

資格全般に言えることですが、業界にいる人ほど「別に資格を持っているからといって…」と考える人が多いのですが、確かに資格試験で勉強する内容と実務スキルで異なる部分はあります。

ただ共通する部分もありますし、特にテクニカルアナリスト試験はほぼ同じと見ていいレベルだと思います。

少なくとも「トレード教育」や「投資の勉強指導」などをされている方は、資格こそ名乗っていなくても、合格していることは最低限示せないと「そのテクニカルレベル、どうなの…?」となってしまうかなと個人的には思いますね。

実際、Twitterなどでテクニカルの話を見ていると、「絶対、基本レベルの見方も知らないんじゃ…」っていう発信は非常によく見かけます。

逆にこうした資格を持っている人は、少なくとも第3者(NTAA)から見て、一定レベル以上の評価をされているわけですし、「資格試験を受けよう」と思う時点で、どちらかというと真面目な人の可能性が高いと考えると、Twitter上で匿名で素性の知れない情報よりは信用できるのかな…とも思いますね。
  
  



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ABOUTこの記事をかいた人

角田 和将(Tsunoda Kazumasa)

速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は10冊で27万部超え。