「自分が辞めることで周りの人に迷惑がかかる」という文章を見て、どのように理解しますか?


10月に入りました。

気づいてみれば、会社を辞めてからちょうど4年が経過したことになります。

最近はブログについていろいろ調べることが増えている日々なのですが、「仕事を辞める」、「独立する(ブログ界隈だとフリーランスになる)」などに関するテーマの記事をよく見かけるような気がしています。
  
  
ただ私自身は会社員自体10年以上やって、そこからの独立起業だったので、今の仕事や嫌だから辞めるといった感じではありませんでしたが、最近は減りましたが、退職後に受講生の方から、私が会社員をやりながら独立するまでに、どのような準備をして、どういう流れで独立したのか、を聞きたいと言われていたことがよくあったことを思い出しました。

今でもひょっとしたら、そこに対するニーズはあるのかな…と思い、一度まとめてみようと思いました^^

「自分が辞めると、周りに迷惑がかかる」という言葉を、みんな間違って理解している

まず、会社を辞めたいと思っているけれど辞められないという人は、「自分が辞めることで周りの人に迷惑がかかる」と思っているように思います。
もちろんそれは、自分でそう思い込んでいる人もいれば、上司や取引先から言われてそのように思っている場合もあると思います。

ただいずれにしても、「周りに迷惑がかかる=自分は辞めてはいけない」と考えて、辞められない、と思っている人は多いような気がします。

だからといって、よく見かける記事であるような「周りに迷惑がかかる」ことと「自分が辞める」ことは関係ない、とも言うつもりはありません。
やはり自分が辞めれば、程度に差はあれど、多かれ少なかれやはり周りへの影響は必ずあります
  
  
ただ、そもそも論になるのですが、「周りに迷惑がかかる」という意味は自分が辞めてはいけないということではないのです。

会社の仕事というのはそもそも会社が請け負っているものであって、その会社の従業員が請け負っているわけではないのです。
つまり、自分がいなくなったとしても、クライアント取引先の立場から見れば○○会社からモノを買ったり、サービスを受けたりしているわけで、その会社の従業員であるあなた個人からそれらを買っているわけではないのです。

見方を変えれば、あなたを含む、特定個人でなければできない仕事になってしまっているということは、会社や取引先、お客様の立場から考えると、非常にマズい事なのです。

もしこのような理由で辞められないと思っていたとしても、仮にあなたが事故に遭って、しばらく動けなくなってしまったとしても、会社としての業務を会社の立場としては止めることができないわけです。
  
  
なので、「周りに迷惑がかかる」という意味は、自分ではない別の人が入ったとしても、会社の仕事がきちんと回るように環境を整備しておきましょう、ということが正しい理解になります。

例えば営業系の仕事をされている方であれば、顧客管理台帳などに取引先毎の情報を一元管理しておくというのも良いかと思います。
工場、制作・開発系の仕事をされている方であれば、作業の手順書をまとめておいたり、確認チェックリストを作っておくなどしておくのです。

理想を言えば、そのようにして自分で作ったマニュアルや手順書に、自分をただ従わせているだけで会社の仕事ができる状態になっていればベストです。

このようにして自分の仕事が可視化されると、場合によっては自分に与えられているミッションの面白い部分が見えてきて、ひょっとしたら辞めたいという感情が抜けるかもしれません。
  
  
また、たとえばフリーランスになりたくて辞めるといった場合ですと、辞めてフリーランスになった瞬間から、それまでいた職場の周りの人たちは読者という立場にかわります。

そうなったときに、「いきなり辞められたおかげで、こっちは大迷惑だ」と思われて、円満退社ができていない状態になってしまっていると、スタート段階からアンチ読者を抱える可能性を抱えていることになり、あまりよろしくないのかなとも思います。

何事も準備8割だと思う

このジャンルの記事をいろいろ見ていると、結構「やりたいことがあって辞めたいなら、早く辞めて次の行動を」と考える意見が多いように思います。

もちろんそれはその通りだと思うのですが、それは辞めたいと思った時に、すぐ辞められる環境づくりをしておくことが一つ前提としてあるべきだと私は考えています。
  
  
100年を秒換算すると約31億秒。

そのうち睡眠時間を8時間と考えると、その3分の2にあたる約20億秒。

日本の人口約1.3億人近くということを考えると、全員と会おうと考えると1人あたり20秒しかその時間を共有することができないのです。

さらに、ほとんど記憶のない幼少期や体力的な制限が出てくる高齢期になってくると、その時間を100%使えるわけではないので、実際はもっと少ない時間しか共有することができないでしょう。

そんな中で、その辞めたいとなっている職場にいるということは、それはそれで意味があることだと思います(反面教師的な意味合いも含めて)。
  
  
なので、その意味ある出会いということに感謝の気持ちを残していく意味でも、早く辞めて次の行動を起こしていく目的の意味でも、日頃からそうした準備をしておくことが重要なのではないかと思った次第です。



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角田 和将(Tsunoda Kazumasa)
角田 和将(Tsunoda Kazumasa)
速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト(CFTe®)

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は15冊で33万部超え。
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