速読を教えているときに聞かれる質問の一つに、「難しい本でも速読はできるんですか?」というものがあります。
この質問も「速読で文章読んでも理解できない、暗記できないと思っている人へ」の記事で語った考え方と同じで、「難しい」の定義によって対策が変わってくるのかなと思っています。
それぞれの対策に対して、速読できるようにするにはどうしたらよいかを考えていくと、解決ルートが見いだせるのではないかと思います。
「難しい本」とはどういう定義なのか?
まず難しい本とはどういう本のことを指すのか?
大きく分けて以下3つくらいに分けられるのかなと思います。
1.まったく新しく読む分野の本
2.内容が専門性の高い本
3.図版が全くなく、文字がビッシリ並んでいる本
まず1のように、全く知らない分野の本を読むときは、そもそも速読以前に、普通に読んでも読めないような状態になっていると思います。
例えて言うならば、アラビア語で書かれている文章を見ても、「?」と思ってしまうのと同じです。つまりこの場合は、普通に読めるだけの語彙力をつける必要があるということです。
もちろん、語彙力自体は、より簡単にサラッと読める本で力をつけていっても良いですし、私がFXを学ぼうとした時を例にすれば、とりあえず口座を作って実際に取引をしようとする中で自然と基本的な用語知識は身についたので、「とりあえずやってみる」精神で実践しながら、同時に知識をつけるのもアリだと思います。
但し、FXとか投資の場合、私はいきなりライブ口座を開いてしまって大損をする大失態をやらかしてしまいましたが、皆さんは必ずデモ口座で「とりあえずやってみる」ようにしてくださいね(ここ、超重要!!)。
文章を理解しようとしている時、脳は何をしているのか?
次に2や3のような本については、「文章理解のプロセス」を考えてみると、その難しさの本質や対策方法が見えてくるようになります。
人が文章を理解しようとしている時、何をしているのかを一言で表すと、文章を自分の身近な物事に置き換えようとしているのです。
例えば仕事術の本を読んでいる時、書かれている内容は一般的な仕事のやり方になると思いますが、読んでいる人はそれぞれ違った職業になり、各々「自分の職で考えたら、どういう事なのか・・・?」と考えながら読む事になります。
つまり、
読みやすい本=自分の身近な物事に置き換えやすい文章
難しい本=自分の身近な物事に置き換えづらい文章
という事です。
この前提を踏まえて、先程の2や3のような本について考えると、読む事自体に難しさを感じていたり、「速く読めない・・・」と思っているのではなく、書かれている内容から自分の身近なものに置き換えることができず、そのイメージを作ろうとする事に時間がかかっている可能性があるのです。
なので対策としては、自分にとってわかりやすい例を元に書かれている文章やイラスト図版が多く入っている本を選んでいくと、そのイメージ変換がスムーズにできるようになるので、結果的には速く読めるようになります。
例えば2のような難しい本であれば、自分にとってわかりやすい例を元に書かれている文章が多く書かれている本を選んでいくと、速読はしやすくなる可能性が上がります。
また、3のような難しい本であれば、イラスト図版が多く入っている本を選んでいくと良いです。
もちろん図解版のようにグラフィカルなイメージで書かれている類書がない場合もあるかと思いますが、その場合は2と同じく、なるべく自分がわかりやすいと感じる文体や文字間、行間などを考慮した”見やすい”と感じる本を探していくと良いでしょう。
先程の1のような場合でも、知識をつけていくために読んでいく本も同じように、文章を読んでイメージしやすいと感じる本を選んでいきます。
つまり、どの種類の「難しい本」であっても、読みやすいかどうかのカギとなるのは選書となり、その選書方法が「難しさ」の定義によって変わるという事です。
そして、これらの前提を踏まえた上で、選書をする際に活かすツールとして速読が登場するのです。
拙著の中でも都度書かせて頂いておりますが、自分にとっての良書は必ずしも売れている本とは限らないと語っているのは、こうした観点からも言う事ができます。
自分の身近なものに置き換えやすい文章が、他の人にとっても同じかと言われると、むしろそうではない事の方が多いかもしれません。
実際のところ、本の新刊点数は今は膨大な数(1日100点ペース)になっているそうなので、いわゆるキュレーションサービスや書評などで対応しないと難しいのかな・・・と思うところもあるのですが、理想を言えば、やはり本は自分自身で選書して、必要だと思う本を手にした方が、その本を最大限に活かせるのではないのかな・・・と思います。
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