○○ならば速読できる人

いろんな人とお会いする中で、「マンガなら速読できる」と言う人に結構会います。

完全、自虐ネタ的な意味合いで言われるのですが、実際、ネット上で情報をいろいろ見ていても「漫画の速読は無意味」というコメントも見かけられ、このような観点から自虐ネタとして言われるようになっているのかなと思います。

つまり、大抵こう言う人は「自分には速読なんて無理。自分に速読は関係ないもの」という思考が裏に潜んでいます。

では、漫画の速読は本当に価値がないのでしょうか?
  

本を読んでいる時にやっている事

漫画の速読は本当に価値がないのかというと、私は全くそう思わず、漫画であっても速読できることには大きな意味があると思っています。

速読に限らず、本を読んでいるときにやっていることを考えると、例えばビジネス書であれば、文章を見て、自分の仕事に当てはめたらどうなるか・・・ということをイメージしたり、小説であれば、文章を見て、過去に見てきた風景や場面を元にイメージを作る、といったことをしていると思います。

漫画で読んでいるときは、絵的な表現で見ているゆえに、イメージするところが補完されているので、速読はしやすくなっているのです。
  
  
では、それが無意味かというと、読書プロセス自体は結局変わっていないので、仮に漫画の速読が無意味だと言う事は、読書が無意味だと言っているのと同じなのです。

おそらく「読書が無意味か?」と言われて、納得する人はいないでしょう。
  
  

漫画で速読できる人は、速読の才能がある?

確かに文字ベースの本を読んでいるときにイメージを作ることをやっているけれど、漫画になるとそれが補完されると言うことは、イメージ力は落ちやすいかもしれません(イメージを膨らませる大きさという意味で)。

ただ同時に、文字を見ても「なぞり読もう」とする癖が少ない分、文字を「見て理解」することはやりやすい状態である、とも考えられるわけです。
  
  
実際、漫画を読んでいて、部分的に出てくる長いセリフは別として、吹き出しセリフの多くは一文字ずつなぞり読まずに、パッと見て理解していると思います。Twitterなどを見ているのと同じような感覚です。Twitterを一文字一文字しっかり読んでいるという人はあまりいないと思います。

つまり、漫画を読んでいるときのような感覚で、文字ベースの本の文章を見てイメージを作ることができるようになれば、それは即ち速読ができる状態になるのです。

そういう意味では文字ベースの本をたくさん読んでいる人よりも、漫画をたくさん読んでいる人の方が、速読を習得するのは速いという考え方もできるわけです。
  
  

漫画、文字ベースの本、それぞれの使い分け

このように、本を読んでいるときにやっていることが、イメージに置き換えようとしていることだと考えると、漫画をうまく活用すれば、文字ベースの本を速く読める状態にすることも可能になります。
  
  
例えば「宮本武蔵」の本がありますが、特に読書習慣のない人にとっては、文字ベースの本は結構読み応えがあると思います(全8巻です)。ただ、この本は伝記なので、子供向けのマンガや、有名どころだと「バガボンド」もあります。

このマンガ版を先に読んでおくことで、話の中のイメージを漫画で予め作っておき、その後で文字ベースの本で読もうとすると、既に頭の中にマンガ版のイメージがインプットされている状態なので、置き換えをする処理が行われない分、結果的に速く読めるようになります
  
  
もちろんマンガ版といっても、よくビジネス書系の本で見かけるのですが、イラストは一般的な学校や職場の風景で、ただ文字ベースの本の文章を登場人物の吹き出しに入れ込んだだけのものだと、文章内容に沿ったイメージではないので、おそらく「これ文字ばっかりじゃん!」となって投げ出してしまうと思いますので、ご注意を^^;
  
  
漫画の速読は無意味と考える人の多くは、文字ベースの本を読むことにインテリ性を感じている節があると個人的に思っているところがあります。ただ、文字ベースでも漫画でも、結局本を読むことから何を得るか?が重要なのであって、漫画だけ読んでいる人であっても、そこからいろんな知識や考え方を吸収したり、自分なりに落とし込むことができているのであれば、いかにも難しそうな文字ベースの本を読んでインテリぶっている人よりも、はるかに本を有効に活用することができていることになります。
  
  
ただ、一つ補足しておくならば、漫画だと作られるイメージは漫画のイラストという一つの固定的な絵になってしまいますが、文章から自分でイメージを作ろうとすると、自分自身に身近なイメージを作る事ができたり、様々な広がりのあるイメージを作る事ができるので、本を読む楽しさはより広がると思います。

なので、漫画で本を読むことに慣れたら、簡単そうな感じのする本でも構わないので、文字ベースの本も読んでみようとしてみることをお勧めします。

(あわせてご視聴いただきたい動画)



========

【メルマガ登録】

https://mm.jcity.com/Register?u=limix&m=501
※セミナーやイベント開催時の案内などについては、メルマガが最速で発信される場になっておりますので、ご興味ある方は登録しておいていただければと思います。


【プロフィールなど】
プロフィール
著書一覧

お仕事の依頼や講演依頼
 お問い合わせフォームよりご連絡ください。
 ※日時や場所、依頼主旨など、分かる範囲で構いませんので、なるべく詳細をご記載いただければ幸いに思います。



ABOUT US
角田 和将(Tsunoda Kazumasa)
角田 和将(Tsunoda Kazumasa)
速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト(CFTe®)

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は15冊で33万部超え。
error: Content is protected !!