資格試験の勉強法で速読を活かすコツ

速読教室で指導をしていると、「資格試験の勉強に絡んで速読を始めた」という受講生とお会いする機会があります。

私は受験のプロでもなければ、試験勉強はむしろあまり得意なほうではないので、アドバイスできる立場にはないと思っているのですが、速読の技術を絡めた勉強法の考え方について、求められたら時々お話しさせて頂いております。
  
  
で、時々この内容について、「出版の企画ネタになるかな…?」と思う時があったのですが、最難関の受験とか資格試験の合格実績があるわけじゃないので、じゃあブログにまとめみようかなと。

ちなみに過去取った資格で、表立って言えそうなのって、「気象予報士」と「Oracle Master 10g Gold」くらいかな?

ただオラクルマスターは会社で受験推奨されていた流れで受けただけで、更新してないので現在は失効しているはず・・・><
  
  
ただ世間的に見れば、比較的難易度は高めのほうに分類される資格試験の勉強をしていた時の良かった点、反省点それぞれと、速読理論を掛け算した時に思いつく勉強法の考え方についてまとめてみたいと思います。

まず最初に「自分オリジナルの参考書」をつくる

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試験の勉強で最初にやる事としては、その受験する試験に合格した人たちが共通して使っている参考書を入手することです。

わかりづらい例で恐縮ですが、たとえば気象予報士試験であれば「一般気象学」や「天気図のみかた」(※あくまでも私が受験していた頃の話なので、今は違うかもしれません。あしからず><)、オラクルマスターであればいわゆる「黒本」にあたるような本です。

こうした“バイブル”的な本は、ネット上から合格体験記などで探し出していきながら調べていくといいです。

その過程で、合格までのレベルアップのイメージや、試験までの勉強の進め方の仮想シミュレーションも同時にできると理想的だと思います。
  
  
そして、次はその参考書を「自分専用の参考書」に編集していきます。「自分専用の参考書」を編集していくのに必要な素材が「過去問」です。

とりあえず「過去問」を解いていくのですが、当然ながら最初はまったく解けないと思いますので、まずは入手した参考書を見ながら、過去問を解いていきましょう。

そのとき大事なのが、解いていく過程で、参考書で調べた部分に対しては付箋やマークなどをつけておくことです。
  
  
この流れで過去問を解き続けていくと、「よく出る部分」と「何度見ても忘れてしまう部分」に何回もマークがつくことになります。

そして過去問を何年分か解き終わった後で参考書を見返してみると、頻出分野と覚えるのが苦手な分野が追加された、自分オリジナルの参考書ができあがるのです。
  
  
このようにしてできあがった参考書を、マークのついているところはゆっくり、ついていないところはざっと読み進めるようにして、読むスピードに緩急をつけていくと、普通に参考書を読むよりも速く読めて、かつ試験に必要な力をピンポイントに磨いていくことができるようになります。
  
  

記述式試験の対策って、どうする?

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最近はパソコンを使った受験も増えつつあり、選択式で問題に答えていくものが多くなっているように感じていますが、国家試験では記述式の試験は避けられないものが多いのかな…という気がしています。

私自身の過去でいうと、大半は選択式だったのですが、唯一「気象予報士」だけは選択式と記述式の両方があり、避けられない状況でした。
  
  
ただ、記述式は一度落ちました。。。

そのとき、すべての問題に対する解答はわかっていて、ポイントとなりそうなキーワードを盛り込むようにして記述したつもりだったので、自分が書いた答えが何で間違いだったのかが、まったくわかりませんでした。

記述式の試験であっても、要点をおさえて書けていれば大丈夫!みたいなことを聞いたことがあったのですが、「全然そんなことないじゃん!!!」と思ったのです。
  
  
問題の答えは出せるけれど合格にならない…となると、正直どうしていいかわからず、特にプラスアルファで勉強することもなかったので、「だったら、模範解答どおりの文体を身につけよう」と考えました。

要点をおさえるというレベルではなく、一字一句の言い回しを覚えて、その文体で解答を書く練習をしていたのです。

その結果、次の試験で合格することができました。
  
  
結局のところ、記述式の試験はデジタルに採点されることはなく、採点をする人がいて、その人が読みやすい(いいと思える)説明文で書ければ点数がもらえるものなんだなあ…という経験をしたひとときでした。

幸いだったのが、気象予報士試験は公式に解答例が出てくるので、実際に採点している側に近いところ(そのもの?)の目線での解答文を確認することができた点です。

試験によっては公式回答が出ないものもあると思われ、そうなると解答文の文体を真似するのが難しくなるので、そのときは大手専門学校などで発表される解答文例を真似ていくしかないのかな…と思います。
  
  
いずれにしても記述式の試験は、ただ知識があればOKとはならず、相手の立場に立った答え方をしてあげる必要がある、ということは知っておいたほうがいいんだろうなあ…と思います。

ひょっとしたら、僕の文章力の基礎はここで養われたのかもしれません・・・(?)
  
  

資格試験と実務スキルは別モノと考える

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この見出しの言葉は、「効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法」の著者の鈴木秀明先生の言葉です。
(鈴木先生の詳細はこちらから^^)

特にSE系の業界で仕事をされたことがある方はおわかりいただけると思うのですが、正直なところビジネスパーソンとして働き出すと、人を評価する情報って、「資格を持っているか?」よりも「経験プロジェクトは何か?」が重視されるのが事実だと思います。

その一方で、資格を取っていることで、一定レベル以上のスキルを担保できるエビデンスにもなりますし、お客様の立場から考えると資格保有者が担当者となると、無資格者よりも安心感を感じることができるのも事実です。
  
  
なので、実務スキルは参画しているプロジェクト次第のところがありますが、それとは別な目的として資格を持つことに意味があると思って勉強するほうが、実務とごっちゃにして考えずに済むのではないかと思います。

実務に関係ない知識であっても、それが頻出分野になるならば、試験勉強と割り切ってやるしかないってことですね。
  
  
そういう意味では、資格試験と割り切って考えるならば、試験に合格することが資格試験のゴールになるわけなので、合格するための戦略を考えることは必須だと思います。

たとえば中小企業診断士の試験だと複数の試験科目を受験することになりますが、その一科目「経営情報システム」は、情報処理関連の資格(ソフトウェア開発(旧一種?))があれば免除を受けられるので、SEやってる人ならば、その資格を取って、中小企業診断士の試験勉強の負担を減らす、ということを考えてみるのも戦略だと思います。
  
  
また気象予報士試験を例にすると、この試験は学科試験(一般、専門)と実技試験の3科目がありますが、学科試験はどちらか一方、もしくは両方合格できれば、申請しておけば1年間は合格した学科試験の受験は免除されます。

気象予報士試験は1年に2回開催されるので、2回分の学科受験を免除できる事になります。

なので、最初から3回受験して合格することを目指し、1回目の試験では学科1科目、2回目の試験でもう一つの学科、3回目で実技試験と、それぞれの試験勉強の負荷を分散させるようにして、学習スケジュールを立てていくことができるのです。
  
  
もちろん、こうした策がまったく打てない試験もあると思いますが、試験ルールを踏まえた上での戦略は考えるべきだと思います。

そして戦略を考える上では、「実務に活かせるように」と、他に意識を向けるのではなく、「目指すべき目標は合格のみ!」と割り切って勉強していくことが重要なのかなと思います。
  
  
~2018/08/23追記~

効率よく短期集中で覚えられる 7日間勉強法』の著者の鈴木秀明先生と対談動画を撮らせていただく機会がありました!

併せてご参考になれば幸いです。

【スペシャル対談動画】資格アドバイザー鈴木秀明さん(前編)全3編

【スペシャル対談動画】資格アドバイザー鈴木秀明さん(中編)全3編

【スペシャル対談動画】資格アドバイザー鈴木秀明さん(後編)全3編


  
  
※上記動画は私のYouTubeチャンネルにアップされています。



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ABOUTこの記事をかいた人

角田 和将(Tsunoda Kazumasa)

速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト(CFTe®)

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は15冊で33万部超え。