私自身、これまでに6冊の出版をしてきて、著者累計としては20万部、重版率も8割以上と、どちらかといえば書き手の立場としてのレベルは、客観的に見ればそこそこある方に部類されるのかなと思います。
もちろん、出版は編集者さんの力に支えられる部分が非常に大きい(本当に大きい)ので、私だけの文章力ということではないと思いますが、こうした結果を出してきたことから、たまに「速読をやっていると文章力って上がるんですか?」というご質問をセミナーなどで直接聞かれることがあります。
速読をやっていると文章力は上がるのか、ちょっと考えてみたいと思います。
速読をやると文章力は上がるけど、絶対ではない
結論から言えば、速読をするしないに関わらず、読書をしている時点で文章力は上がる可能性の方が高いと思います。
もし、ただ読書をしているだけの人と、速読で本を読んでいる人の差があるとしたら、本の中で触れる文章量に差が生まれるので、文章表現の方法を知る量の差による文章力の上がる伸び幅はあるのかもしれません。
ただ、「文章力」をどのように定義するか?によっては、その可能性は変わるとも思います。
実際、速読の本を出している人が全員ベストセラーを出しているわけではないので、その時点で「速読をやる=文章力が上がる」という式は成立しないのです。
「文章力」の定義を例えば、たくさんの文章をアウトプットできる力と考えることもできますし、短文だけどいろいろ考えさせられる文章をアウトプットできる力とも考えることができます。また、わかりやすい文章をアウトプットできる力、論理的に理路整然とした文章が書ける力など、一言に文章力と言ってもその定義は様々です。
もし仮に、ビジネス書ばかり読んでいる人だとすると、ビジネス書は一般的に論理立てて文章が書かれていることが多いので、論理的な文章を書く力は比較的養われていると思います。しかし同時に、インテリ欲を満たす感じの表現が多く使われていることも多いので、わかりやすい文章を書く力はあまり養われないかもしれません(私もその自覚、結構あります・・・><)。
また、文章表現を含む、多くの情報を日頃インプットしている人は、正確に情報を伝えようとするために、文章を書くと長文になることが多いです。投資家の人が話をし始めると、ずっと話し続けて止まらないということをよく聞きますが、それはその典型例かなと思います。
こういう人にとっては、様々な解釈ができる短い文章でアウトプットすることは難しく感じるかもしれません。
つまり、速読をやることで文章力があがるかどうかは、読んでいる本の「量」と「質」のバランスによるのだと思われます。
「見て理解」する読み方をしていると、文章力の上がる可能性は高い(かも?)
私が実際に文章をアウトプットする際、速読をやっていて文章力向上に役立っているなあと実感している点が1つあります。
それは「言霊を感じる」というところです。
言霊というと少しスピリチュアルな感じがするかもしれませんが、本を開いたときに「わかりやすそう」と感じられる文章かどうかを感覚的に理解するということです(伝わらないかもですが、ここは何となくで察してください><)
元々システムエンジニアをやっていたことが影響して、論理的な文章展開は比較的習慣化されていると自分では考えているのですが、それにプラスして、速読がしやすい表現方法という考えが加わることによって、私の場合は文章力がそれなりに上がっているのかなと考えています。
実際、速読ドリルが売れたとき、それを真似した感じの、いわゆるパクり本が数冊出ているのを見かけましたが、どれもその「言霊を感じる」表現方法のポイントが明らかにズレていて、実際、数ヶ月以内にそれらの本は書店から撤去されていました。
ちなみにパクり自体は、僕はあまり気にしておらず、むしろモデリングした上でさらに「すごい!」と思う本が出てきたら、そっちの方が嬉しいと考えています。
なので、文章に対する感覚的な部分を磨く意味でも速読が文章力を上げることに活きる可能性はあるのかもしれません。
しかし、その前提として、読む本や収集する情報に偏りがないように注意することを忘れないようにしてください。
私も速読を習い始めた最初の頃、師匠から「あんたは小説を読みなさい。表現力の知識が乏しすぎる。」と言われ、トレーニング中も評論系の文章はほとんど使わず、小説系の文章ばかりでトレーニングをやらされていましたので^^;
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