速読を学ぼうと思った時、その学び方はいろいろな手段があります。
そもそも論で、速読の手法やテクニック自体も一つではないので、その学び方はさらに様々なものに広がります。
私自身もよく「本だけでも速読ってできるようになるの?」とか「速読教室に通わないとダメ・・・?」といった質問を受けるので、今日はそのあたりについての考え方に触れてみたいと思います。
本だけでも十分に習得は可能。だけど・・・
速読の学び方は様々あると思いますが、大きく分けると次の2つになるのかなと思います。
1.速読本や速読アプリ等の教材から学ぶ
2.速読教室や塾に通学しながら学ぶ
それぞれ長所、短所はありますが、結論から言うと、私自身の過去の経験から考えると、個人的には教室や塾で学んだ方がよいと考えています。
実は私自身、中学時代、高校時代と速読にチャレンジしたことがあったのですが、2回とも挫折を経験しています。
その当時に速読をやろうと思ったキッカケは、勉強する時間を減らして、ゲームをやる時間を増やしたいと思っていたからです^^;
そして、中学の時は速読本を読んでトレーニングをやってみました。しかし挫折しました。
「今度こそ」の気持ちで、高校の時は速読アプリを購入してトレーニングをやってみました。しかし、これも挫折しました。
そしてある出来事をキッカケに、再度速読にチャレンジしようと思うことになりました。(※「ある出来事」については拙著に書かれているので、ご興味ある方はお読み頂けたらm(_ _)m)
その時に、中学・高校と挫折した原因を考えてみました。
そこで出た結論が、結局のところ本やアプリでトレーニングをしていると、自分がやっている事が本当に正しいのかどうかわからなくなるから挫折するのでは・・・と考えたのです。
なので、自分がきちんとできているかどうかを自分で判断できないから挫折するのであれば、それを判断してくれる人がいるところに行けば習得できるのでは・・・と思い、対面指導が受けられる教室を探しました。
そして、たまたま近場に教室があり、かつ指導の上手な師匠がそこにいてくれたおかげで、1年かからずして結果を出せるレベルまでに至りました。
特にトレーニングが必要なものは速読に限らず、全般的に同じような傾向があるのかなと思っています。
たとえば瞑想や呼吸法なんかは、本でいろいろ書かれてはいるのですが、結局実際にやってみて、本当に正しいのかどうかを判断する事が難しいと思います。
そして、効果が出てくるよりも先に「本当に正しいのか・・・?」の不安が勝ってしまって、結局トレーニングを止めてしまう=挫折となってしまうのかなと。
もちろん、教材を活かすだけで速読を習得することは可能だと思います。
実際、私自身も速読関連の出版もしていますが、すべての本で「これをやれば、速く読めるようになる」という気持ちで120%を出し切って書いており、「これだけでも十分に速くなった」というご感想を多々頂いております。
それ相当の思考を巡らせて、本を「書いて」いるのではなく「創って」おりますので。
ただ私がやっている速読セミナーに来られる方の中には、「本で読んで理解していた事とのズレが矯正できて良かった」というアンケートや、直接そういった主旨のお話しをされる方もいらっしゃる事から、本当に正しく理解できているのか・・・を確認するために、やはり教室や塾のような場所で、対面で学ばれた方が習得は速いのかな・・・と思います。
媒体に応じた活かし方をそれぞれ考える
速読の学び方についてのそれぞれメリット、デメリットを端的にまとめると、以下のようになります。
【教材で学ぶメリット・デメリット】
メリット:・金銭的コスト負担が軽い
デメリット:・自分が正しく実践できているか判断できない
・正しくできていなかった時の時間が無駄になる
【教室通学で学ぶメリット・デメリット】
メリット:・自分が正しく実践できているか判断してもらえる
・我流で回り道している無駄な時間をかけずに済む
デメリット:・金銭的コスト負担が重い
当然ではありますが、教室通学で学ぶメリットは、例えば速読であれば、判断してくれる先生が速読をできる人でなければ、実践しているトレーニングなどをいくら見ても、それが正しいかどうかは判断できないので、きちんと判断できる人を師匠に持たないと、このメリットは享受できませんので、ご注意くださいね。
幸か不幸か、私は元々国語嫌いで、本を全然読まなかった活字嫌いのところから速読を学んで習得までに至ったので、いわゆる重症患者さんでも、その人の立場や目線で気持ちを共有できる点では、かなり向いている立場にいる人間なのかもしれません(元々速読指導の講師をやろうなどと思ってもいなかった私ではありますが^^;)
速読に限らず、塾やスクールはノウハウを知る場所ではなく、ノウハウを体得する場所
これは速読に限らず、どんな学び事でもそうなのですが、塾やスクールに通学する際、その目的をどのように考えるかによって伸びる人とそうでない人の差が現れます。
多くの人は通学する目的を「先生から何かを教わる為に行く」と考えます。
しかしそのような考え方をしている人は、他人から教わる気しかない受け身の姿勢である事が多く、自分から何かを学ぶ気がない状態になっているので、なかなか伸びません。
例えて言うならば、学校の授業でひたすら板書を取って、あたかも“できた”ような気になってしまうだけで終わり、内容も全く覚えてない上に、身にもなっていない状態と同じだと思われます。
おそらくそのように考えてしまうのは、学ぶ事=記憶・暗記と思っていて、知識の差と実力の差を混同して考えているからではないかと思っています。
しかし、学ぶ事というのは「理解」だと私は考えていて、学ぶ事=理解と考えると、理解とは知識と経験の結びつけになりますので、自分から動かなければ経験の部分が全く増えないので、実力は伸びない事になってしまうのです。
そのように考えると、知識だけを鍛えるのであれば、本やネットなどを駆使すれば今の時代、かなりの知識を蓄える事ができますので、塾やスクールに通う目的は、知識的な事を教えてもらおうと考えるのではなく、理解度を深めるための環境の場を作るために活用するほうが、実力をつける意味では有効になります。
なので塾やスクールで学ぼうと思った時は、「何を教えてくれるか」にこだわるよりも、自分の理解を深められる環境に身を置けるか?という判断基準を持つ事が重要だと思います。
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