できない人に自分ができない理由はわからない

速読だと特によく見かけるのですが、「速読なんてできるわけがない」とか「速読は科学的に不可能」といった感じで、「○○できない」と論じる人はいつの時代になっても必ずいらっしゃいます。

もちろん速読を、パラパラめくって1度で内容が頭に入るものと定義していたら、それは不可能だと私も思います。

そのような前提が不明瞭なまま、○○できないと言う意見を見たり聞いたりして、「あ~、やっぱり○○はできないものなんだ」と、何も考えずにスルーしてしまうのは少しもったいないような気がします。

これは速読に限らず、どんなスキルアップでも言える事だと思いましたので、少しこのあたりについてまとめてみたいと思います。

そもそも、できない人に自分ができない理由はわからない

どの分野においても言えることですが、できない人というのは、自分ができない理由がわからないものです。

例えば速読ができないという人はいつの時代も一定数必ずいますが、その人たちは共通して、速読はできないわけです。

違う例で、FXで稼げないと言ってる人もいますが、同じくどの人もFXで稼いでいない人たちになるのです。

この見方からも「○○できない」という意見を発しているのは、○○できない人になるので、その方々の意見を鵜呑みにすると、本当は○○できるかもしれないのに、やろうともせずにその機会を放棄してしまう危険性のある事がおわかりいただけると思います。

  
では、自分ができない理由をわかるようにするにはどうしたらよいか?

それは、できる人にその理由をアドバイスしてもらうことです。

おそらくアドバイスを受ける機会があったとしたら、できない理由をたくさん指摘してもらうことができると思います。
  
  
この時に注意が必要な事は、「できない理由」を指摘されているのであって、「自己否定」されているのではないという事です。
  
できる人からもらうアドバイスを素直に受け入れられない人はここを勘違いして、「自分はそんなにダメなのか?」と思ってしまい、自己否定されたくないという思いから、できない立場なのに、安易に「○○はできない」と考えてしまうのです。
  
  
なので、アドバイスをもらっている時はあなた自身を否定して言われているのではないと思って聞くようにすることに注意しましょう。
  
その意識を持つことによって、できる人からのアドバイスを素直に受け入れ、うまくできるようになるまでのスピードが加速すると思います。

「○○できない」を証明することは極めて難しい

特にネット上で「○○ できない」といった検索をかけると、それに共感を覚えさせる否定論を唱える記事が多かれ少なかれ表示されてきます。
  
しかしそういった話の大半は、一見論理的な感じに見えるように述べられているのですが、冷静に見ていくと大抵の場合、ツッコミどころが存在しているのです。
  
  
そもそも論になりますが、「○○できない」という事を証明するのは、「○○できる」事を証明するよりも、はるかに難しい事なのです。

例えば、昔は人が空を飛ぶ事はできないと思っていました。
  
しかし今では飛行機に乗って世界中を飛び回る事もできますし、宇宙さえも行けてしまう状態になりました。
  
100m走でも、昔は10秒の壁は超えられないと思われていましたが、今では10秒を切る選手がいても不思議ではない状態です。
  
  
そもそも論になりますが「○○できない」と否定論を唱える人は、一見論理的な話をしているように見えながら、実際は「そんな事できるはずがない」という先入観の決めつけがある前提で、そこに後付けで論理を加えているというケースが非常に多いような感じがします。
  
つまり論理的と言うよりも、むしろ感情的な内容を潜在的に秘めているので、同じく「できるわけがない」と思っている人がその話を聞くと、論理的な文章でなくても「共感」を覚えることによって、自然と納得してしまう危険性が出てくるのです。
  
  
なので、「~できない」否定論を見る時は、誰がそれを論じているのか、どういう環境にいる人が論じているのか、その否定論を否定する論理が存在しないかを冷静に考えてみる目線が必要になります。

そもそも議論以前に、否定論を見て「できない」と思って共感したところで何も生産性はないので、そういう話に目を向けないというのも一つの選択肢なのかもしれませんね^^;

スキルアップの妨げになりやすい壁

これらの事を踏まえたとしても、なかなかスキルやノウハウを習得することができないと悩む人もいらっしゃるかもしれません。

それに対しては様々な要因があると思いますが、比較的多く共通項として見られる事を一つ挙げるとすると、「失敗する事への恥ずかしさ」があるのでは・・・?という事があるかもしれません。

例えば英語だと、「うまく発音できなくて、周りから恥ずかしい目で見られるのでは・・・」みたいな感じです。
  
  
逆に、スノーボードを例に挙げますと、仮に転んだとしても、コース上で休んでいる時自体が座っている状態なので、転んでもその後すぐに休んでるフリをすれば「俺、休んでるだけだし~」と転んでないフリができます。

むしろ私はパウダースノーと戯れる事が快感だとさえ思って、初めはむしろ自爆的に転んでましたが、そうしたら3回目位ではとりあえず滑って降りて来れるようになりました。(20年以上前の話ですが^^;)
  
つまり、どんどん転びながら板の使い方を覚えていけるので、トライアンドエラーを恥ずかしさの感情がない中で繰り返す状態となり、習得が早くなったのかなと思います。
  
  
ただ先の英語にしてもそうですが、大抵の事は、自分が思っている程、周りは自分の失敗にそれほど敏感ではなく、自分で勝手に「それができないのは恥ずかしい」と決めつけてしまっている事が多いと私は思っています。
  
なので失敗する事に対して何か恥ずかしさのような感覚があってブレーキがかかったら、「恥ずかしいと思っているのは自分だけ」と思うようにして、トライアンドエラーをたくさん繰り返していくと、スキルアップのスピードは加速していくと思います。



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ABOUTこの記事をかいた人

角田 和将(Tsunoda Kazumasa)

速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト(CFTe®)

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は15冊で33万部超え。