【資産構築の方法】学資保険の代わりに未成年証券口座を開設する?

これまでずっと私は本の紹介というものをほとんどしてきませんでした。

理由は、私の著書をお読み頂いている方ならば何となくおわかりいただけるかもしれませんが、本に対する理解は人によって変わるからです。

つまり、私がここで本を紹介して、人によっては「なるほど」と思う人もいるけれど、伝え方によっては「読む必要はない」と理解してしまい、その本を実際に自分で手に取って確認しないことが起こる可能性もあるのです。

これは、人によっては本との出会いの機会損失が発生するリスクにもなり、そのため本の紹介は極力避けてきた経緯がありました。
  
  
ただ同時に出版社の方や知人からご献本を頂く機会があり、そんなにしょっちゅうではないからか、どの本も良書なので、紹介しないのも失礼ではないか・・・と、最近思うようになりました。

もちろん、今までと同じく、軽い気持ちで紹介する事は絶対ないので、頻度はたまにしかないと思いますが、みんなに認知してもらいたいと思う本については、今後こちらで紹介していこうかなと思います。
  
  
今回、紹介する本は「世界第3位のヘッジファンドマネージャーに日本の庶民でもできるお金の増やし方を訊いてみた。」という本です。

著者は過去にセミナーもご一緒させて頂いた、英系投資顧問会社SPRING社のヘッジファンドマネージャー、塚口直史さんです。過去にご縁がありつつも、「その後、どうされているのかな・・・?」と思っていたら、AmazonのDMで塚口さんの新刊が出たと来たので、即買いしました^^

前作の「トランプ・シフト」と比べると、かなり一般向けのテーマや内容に仕上がっている印象だったので紹介したいなあと思った次第です(ちなみに構想2年とのこと)。

知り合いだからというレベルで勧めているのではなく、ノウハウも具体的ですし、他では見かけることのない視点でのアドバイスが網羅されているので、おそらく資産構築の基礎的な本としては、私の中では今のところ一番のお勧め本です。

購入するかどうかは別として、立ち読みでもよいので、必ず目を向けてみることをお勧めします。

景気が良くなっても悪くなっても資産を増やす考え方

この本の中では、10万円を初期投資資金として資産を増やす具体的な方法が論じられています。

昨年後半から「月○○円からの投資」といった、少額の積み立て投資に関する本が売れているようで、そこにニーズがあると踏んで、いろんな本が出ていますが、この本が他の本と大きく違うなあと感じたのは、暴落に対するリスクヘッジの目線です。
  
  
この本の中では、暴落時に対する対策としてVIX短期先物指数という銘柄を売買することが1つ挙げられています。VIXとは「恐怖指数」とも呼ばれていて、ものすごく簡単に言ってしまえば、暴落していると恐怖心が増すので、たとえば日経平均などが下落しているときに、この指数は上昇することになります。

他にもいろいろな銘柄を購入しておくことにはなり、当然暴落時には他の銘柄の含み益が減ることになりますが、VIXを買っておくと、それに対する含み益はどんどん増えるので、暴落が落ち切ったところでVIXを売ると、大きなリターンを得ることができます。これで増えた資金を、暴落に巻き込まれて割安になった他の銘柄を購入する資金に充てていくのです。

この考え方は確かにヘッジファンドマネージャーの目線からじゃないと、たぶん出てこないのかなと思いました。下落や暴落に対して、ほとんどの人が挙げる対策方法はドルコスト平均法という考え方しか出てこないので^^;
  
  
もちろんこの本の中でもドルコスト平均法に関するお話しは出てくるのですが、下落には2パターンあることを元に、VIXとドルコスト平均法のリスクヘッジ、それぞれに対する考え方が論じられています。特に投資トレードをやったことがある人ならば「損切り」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、その損切りに対する考え方という起点で話が進められているので、その部分を読むだけでも十分に価値はあると思います。

住宅ローンの繰り上げ返済についての考え方

「下落のリスクに対してドルコスト平均法」というオウム返しに近いもので、「住宅ローンは早く繰り上げ返済する」ということも、よく言われたりします。

借金は早く返した方が良いという、感覚的なところもあるような気がしますが、借金の金利も複利で膨らんでいくという考えがあって、この回答が生まれているのかなと思っています。
  
  
複利という言葉は、投資の勉強をしたことがある人ならば聞いたことがあるかもしれませんが、端的に言えば、利子に利子がついていくことになり、加速度的にその数字が増えていくことを意味しています。

(複利とは)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E5%88%A9

この複利というキーワードは、投資やトレードをしていると、資金を増やす考え方として(最初は徐々にでも、加速度的に資金が増えていくといった主旨で)よく登場するのですが、逆に住宅ローンでも、返済利息として返済する金額も、長期間になればなるほど、大きく膨らむ事になると考えると、返済期間を短くした方が良いという考えはあっても自然だと思います。
  
  
ただこの本の中でも書かれていますが、住宅ローン金利以上の期待リターンが得られる投資対象があるならば、繰り上げ返済できる資金を運用に回した方が、トータルではプラスに持って行くことができます。

こうした投資対象があるときに、手元にキャッシュを持っていない状況になってしまうと、身動きがまったく取れなくなってしまうのです。

もちろん、住宅ローン金利以上の期待リターンが得られる投資対象がないときは、繰り上げ返済するほうがプラスになるので、そのようにした方がよいわけですが、いずれにしても、お金は大切なものだと思いますので、大切なものはきちんと定期的にメンテナンスしてあげる気持ちが重要なのかなと思います^^

学資保険よりも、子供用証券口座を使って資産運用?

実際にお読みいただければ、おわかりいただけると思いますが、この本は短期間で大きく稼ぐといった内容の本ではなく、長期目線で資産構築をしていく考え方を知る本になります。

なので、初期投資資金が10万円から始められるのであれば、子供用の証券口座を作って、そこで積み立てていきながら5年、10年単位で資産構築をしていくのもよいのかなと思いました。

個人的な感覚になりますが、おそらく学資保険で得られるリターンより大きいリターンが得られる可能性は高いような気がしています。
  
  
もちろん、主にVIXの銘柄になりますが、定期的に売買しながら、資産管理を行う手間は出てきますが、その労力をかける価値は十分あると思います。

この本の中でも、証券口座を開くことについては書かれており、その中でマネックス証券とSBI証券の口座開設が勧められていますが、SBI証券は0歳から作れる子供口座があるので、それも一つ考えてみてもよいかもしれませんね。



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ABOUTこの記事をかいた人

角田 和将(Tsunoda Kazumasa)

速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト(CFTe®)

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は15冊で33万部超え。