新記事、約2ヶ月ぶりになってしまいました><
いつも楽しみにご購読頂いている読者様には大変申し訳なく思っております。
ちょこちょこリライトをやっていたこともあるのですが、2ヶ月空いてしまったのにはちょっと理由がありまして、それについてはまた来月あたりにお伝えしたいと思います。
ちなみにプレジデントウーマン10月号の速読特集記事で、私が取材を受けた記事が載っています。
全部で6ページ、速読・読書関連で4ページ、電子書籍活用のテーマで2ページと、大きく取り上げていただいております。
ぜひご一読いただけたら嬉しく思います!
さて本日は、「どのくらいのスピードで読めば速読なの?」という問いについて、記事を書いてみたいと思います。
速読について語られている場面で誤解を生む根源に「定義が曖昧」ということがあります。
なので、速読に関する話をするときは私自身、その定義を明確にすることを強く意識しています。
どのくらいの速さで読めていると速読なのか、これについても感覚的にはパラパラめくっているものが速読だと思う人もいれば、1冊1時間で読めれば速読だと思う人もいるわけです。
このあたりについての考えをまとめていきます。
一般的な平均読書速度から考える速読のスピード目安
一般的な平均読書速度(本を読むスピード)は1分間に400~600文字くらいといわれています。
これは原稿用紙1枚を大体1分くらいで読む感覚になります。
個人的に、これまで1500名以上の受講生を見てきた感覚ですと、老若男女全体的に見ると確かにそのくらいの読書速度なのかなと思いますが、ビジネスパーソンだと1分間に大体1000文字前後といった方が多いのかなと思っています。
人によって差はあるのですが、仮にあなたの読書速度が一般平均レベルの読書速度600文字/分だったとしたら、速読の読書速度の目安は1200文字/分になります。
速読関係の書籍で都度書かせて頂いている速読の定義になりますが、「速読ができる」とは「なぞり読みから視読(言葉を塊で見て理解する読み方)に切り替えができる」ことになります。
例えば、1ページ15行、1行あたり40文字の本があるとき、読書速度600文字/分で読んだ場合、1ページを1分で読み切ることになります。1行を4秒で読む計算ですね。
これを視読に切り替えた場合、10文字単位で言葉の塊を区切り、パッと見る時間を0.5秒と考えると、1行あたり2秒で読む計算になります。
10文字であればまったく速読トレーニングをしていない方であっても、パッと見て理解できるので、なぞり読みから視読に切り替えるだけで読書速度は2倍になります。
もしあなたがビジネスパーソンで、読書速度が1000文字/分だったとしたら、速読の読書速度の目安は2000文字/分になります。
先程と同様ですが、今後はパッと見る文字数を10文字単位から20文字単位に増やすことで、1行あたり1秒で読める計算になります。
20文字単位であれば、ちょっとした速読トレーニングだけでも実現可能なレベルですし、それだけでも読書速度は2倍になるのです。
このあたりの詳細や、図解的に内容を把握したい方は『速読の教科書』に載っていますので、ご一読頂けたら嬉しいです^^
スピードの目安を考える前に必ず知っておく必要があること
このように考えていくと、速読のスピードの目安を知るためには、まず自分がどのくらいの速さで文章を読んでいるのか、そのスピードを把握しておく必要があります。
これがわからないと、自分の読書速度が速いのか、遅いのかが判断できません。
ピータードラッカーの言葉に「計測できるものは改善できる」とありますが、計測できても計測していないと、改善はできません。
わざわざ本を読むときに、ストップウォッチで時間を測りながら読もうと考える人はあまりいないと思います。
昔に比べれば今はスマートフォンがあるので、やりやすい環境ではありますが、わざわざ計測しながら読もうと思ったら面倒になってしまうのが正直なところです。
もちろん、一度は読書速度を数字で計測しておく必要はありますが、目安ができたら、以降は、例えば「30分の通勤時間で何ページ読めるか?」とか「レストランで料理が出てくるまでに何ページ読めるか?」といった、周辺環境を利用すると、感覚的にどのくらいの速さで読めているか、基準をつくることができます。
基準ができて、計測する環境ができることで、感情的に「速く読まねば…」と煽られる意味でも、速読するのには良い環境になるのかなと思われます^^
速読の考え方によって目安は変わる
速読と聞くと、ものすごく速く読むイメージを持つ方が多いのですが、私のなかで「速読とは?」と言われると、現状よりも1文字でも速く読めるようになれば、それは速読だと考えています。
おそらくほとんどの方は、1000文字/分の読書速度で読んでいるときと、2000文字/分で読んでいるときの差を、感覚で捉えることはできません。
先の例で言えば、1行あたり1秒の差になります。0.1秒を争うレースのような世界に日頃いる方ならば1000文字/分から2000文字/分の変化は体感できると思いますが、一般の方にはほぼ不可能でしょう。
しかし、読書速度が2倍になっているということは、仮に1冊を2時間かけて読んでいた方ならば1時間で読み終えることができるわけです。
1ページあたりだと1秒、0.1秒の変化ですが、数百ページの1冊という単位になると、その変化は大きく現れてくるのです。
「そんなレベルは速読ではない」と考える人もいるでしょう。「読書速度10000文字/分を超えて、はじめて速読だ」というご意見も過去に頂いたことがあります。
ただ、実際に約10000文字/分の読書速度認定を受けた立場から言わせてもらうと、この領域は速読を競技的に極めたいと思う人が目指す領域であって、万人が目指すべき目標地点ではない、ということです。
例えるならば、公道で車が運転できて、今までより少し目的地に速く移動できればいいだけの人に、「フォーミュラカーを乗りこなせて、はじめて車が運転できると言える」と言っているのと同じことです。
もちろん、フォーミュラカーを乗りこなす人が公道で運転をすれば、それはとても上手な運転ができるのと同じように、競技的な速読を極めて、そこから一般的な読書をしていけば、普通の人よりはかなり速く読めるようにはなりますが、全員がその境地を目指す必要はないのかなと。
まずは教習所などのコースで練習して、さらに興味が出てきたらサーキットを走ればいいのと同じで、まずは基礎的な速読のやり方を練習して、さらに興味が出てきたら本格的な領域に足を踏み込んでいけばいいのです。
私も速読を始めた頃は、こうした「極めたい系」の色が私の周辺環境を覆っていたので、「そういうものか」と思って頑張りましたが、実際極めた後に振り返って考えると、このように思ったわけです。
目標を高く持てば持つほど、着地点も高い位置になるので、なるべく上を目指そうとする意識は大事なのですが、速読の場合はその目標地点や着地点がとんでもなく高い位置でしか考えられていないような気がします。
ゆえに私は、速読のスピード目安はそんなに高いところに置く必要はなく、あくまでも過去の自分を超えるところが速読の速さの基準になるのだと考えています。
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