レミニセンス現象から考える、記憶や暗記に対する速読の活かし方

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一般的に、覚えているかどうかの記憶に関する話になると、必ず出てくるお話しが「エビングハウスの忘却曲線」になります。

これは、人は情報をインプットしてから1日経過すると70~80%の内容は忘れてしまうという事を示す曲線になります。

エビングハウスの忘却曲線

つまり、時間が経てば経つほど、どんどん忘れていくので、忘れる前に反復して覚えようとすることが重要になる、といった感じで、記憶に関する本では書かれています。

このあたりのお話は拙著『速読の教科書』にも書いてありますので、そのあたりについて、まだよく知らないという方は是非一度見て頂けたらと思います。

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レミニセンス現象とは?

テスト試験等で文章の穴埋めのような問題を解いている時や神経衰弱なんかをやっている時、「あれ、さっき見たはずの内容なのに、思い出せない・・・」となった事は、多かれ少なかれ皆さん経験があるのではないかと思いますが、エビングハウスの忘却曲線の事を考えると、納得できる事だと思います。
  
  
しかし、少し時間を置いて、例えば文章の穴埋め問題だと、試験が終わった後に、「あっ!あの穴埋めの答え、○○だった・・・」と、急にその答えが思い出されるような経験をした事がある人もいるのではないかと思います。

最近だと、受講生の方から「本を読んだ後に、アウトプットとして内容を書き出そうとすると、なかなか書き出せないけれど、少し時間を置いて、移動に入った時にやたらと書いてあった内容やそこからの閃きがたくさん思い出されるようになる」というお話しなんかも頂きました。

エビングハウスの忘却曲線の事を考えると、時間が経てば経つほど忘れるはずなのに、時間が経過した後の方が思い出せる事があるのです。

この現象は「レミニセンス現象」と呼ばれています。
  
  
このレミニセンス現象は睡眠と大きく関連があると言われています。

睡眠中は脳内で情報整理が行われているというのは聞いた事がある人もいるかもしれませんが、睡眠中に情報整理される事によって、インプットした直後はなかなか引き出せなかった情報が引き出しやすくなった、つまり思い出しやすくなったということです。

個人的な経験を元に言えば、睡眠中に限らず、休憩時間などのリラックスしている状態になった時、無意識レベルでインプットされた情報も含め、膨大な情報量が脳内で情報整理されているのではないかと思っています。

先程のテスト試験の例で言えば、試験終了とともに緊張感から開放されて、リラックスした時に、「何だったっけ・・・?」と思っていた情報が鮮明になっている、といった具合です。
  
  
皆さんも過去に経験があるかもしれませんが、テスト勉強の一夜漬けで寝ずに勉強する、といった事は、レミニセンス現象の観点から考えても、記憶にとってはあまりよくないという事になり、むしろ睡眠を一度挟んで、情報整理する期間を設けてあげることで、結果的には記憶定着度は上がる、という事になるのです。

レミニセンス現象に速読を活かす

では、こうした現象を活かして、速読と記憶、両方の良いところを伸ばしていこうと考えた時、どのように活かしていけばよいのでしょうか?

結論から言うと、「速読でインプット時間を短くした分、そこで浮いた時間を休憩時間や睡眠時間に投資する」ことです。
  
  
特にビジネスパーソンの多くの人は、休憩時間や睡眠時間は何もしていない時間、非生産的な時間だと思っている人が多いと僕は思っていますが、例えば睡眠時間であれば、体は寝ていても、脳内では情報整理等の処理を行っていて、決して何もしていないわけではないのです。

閃きを生むための情報整理をやっていると考えたら、むしろ時間投資は多くするべきところでしょう。

睡眠時間と同じような考えで、休憩時間も脳内の情報整理時間として、意識的な活動こそしていないけれど、知的な生産性を上げている時間という事で確保するべきところです。
  
  
記憶定着の観点から考えても、確かにエビングハウスの忘却曲線を踏まえると、忘れる前に反復する必要がある事は事実なのですが、ひたすら反復学習すれば良いという事ではなく、一晩情報を寝かせてあげる事も重要になるということです。

なので、一度読書インプットをして、すぐにもう一度読み返していくのもよいのですが、その次に読み返すのはあえて少し期間を空けるようにすると、自分では「覚えよう」とも思っていなかった情報が、いきなり思い出されたり、何かピンと閃くタイミングが増えてくると思います。
  
  
短期集中型で一気に覚え込みたいという思いのある方もいらっしゃるかもしれませんが、休憩や睡眠を挟みながら覚えていく、中長期的な目線を持つ事が、最終的には本当の意味で使える記憶定着になると思います。

レミニセンス現象による記憶方法を活かそうとすると、「覚えようとしなくても覚えてた」という状態に持っていきやすくなるので、特に記憶や暗記が求められる資格試験や受験等をされている方は、こうした脳の特徴を踏まえた学習スケジュールを考えてみる事をお勧めします。



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ABOUTこの記事をかいた人

角田 和将(Tsunoda Kazumasa)

速読コーチ/ビジネス書著者/認定テクニカルアナリスト

著書に6ヶ月で10万部を超えるベストセラーとなった「1日が27時間になる!速読ドリル(総合法令出版)」をはじめ、『速読日本一が教える すごい読書術』(ダイヤモンド社)、『出口から考えるFX』(パンローリング)などがある。著者累計は10冊で27万部超え。