速読を教えていて、最も受ける質問の一つ。
それは・・・。
「速く読んで理解できているんですか?」という質問。
これ、本当によく質問されます。
ただこの質問をする人は、「理解できている」というのがどういう状態なのか、その定義が曖昧であったり、「理解」を勘違いしている場合が多いので、そのあたりについて今日は触れてみたいと思います。
遅く読んだら理解できますか・・・?
まず、そもそも論から考えて、「速く読んで理解できているのですか?」と思う人に、逆質問です。
「遅く読んだら、理解できるんですか(覚えられるんですか)・・・?」
私は、遅く読んでも理解はできないと思っています。
それは私自身が過去、本を読むのが苦手だった頃の実体験を元に考えているのですが、皆さんにもこのような経験はないでしょうか?
1冊の本を読んでいるとき、最初からじっくり読もうと、ゆっくり読んでいき、終章を読んでいる段階で、「第2章で書いてあった内容って何だったっけ・・・?」
何となく何が書いてあったかは思い出せるけど、きちんと思い出せないので最初からまた読み返す、この状態。。。
この状態を「理解できている」と言えるのかどうか・・・?
私は昔、本を読む事自体が嫌いで、読むスピードも相当遅かったのですが、遅かった原因はまさにこの状態でした。
1ページ目を読んでいき、2ページ目を読んでいき・・・。10ページくらい進んだところで「あれ?前に書いてあった内容、何だったっけ・・・?」と思って、また1ページ目に戻り・・・。
これをずっと繰り返してしまい、1冊はおろか、1冊の半分も読めないまま放置になってしまう、となっていたのです。
本を読むのが苦手だと思っている方や、読むのが遅いと思っている方ならば、似たような経験が一度はあるんじゃないでしょうか?
このように考えると、遅く読んでも理解はできないことになります。理解ができないどころか、1冊が読み切れない状態に陥ってしまうのです。
もっと突っ込んで言えば、読むスピードと理解にはそもそも関係性自体がないのです。
某サイトでは、速度と正確さには反比例の関係があることを科学的根拠として、速読は不可能と謳っていますが、この例を思い返せば、少なくとも読むスピードを遅くしたら理解度が増しているかというと、そんなことはまったくないのです。
そもそも速読とは、文字通り速く読むことです。そして「普通に読んでいる時と同じ理解度」で、より速く読むことを目指すものです。
普通に1回読んでも100%頭に入らないものを、速読をやったから1回読んで100%頭に入ることはないのです。
ここを勘違いして、「速読をやったら、1回読んで100%理解できる、覚えられる」と思っている人は、想像以上に多いように思います。
(こちらの記事も併せてお読みいただければ…m(_ _)m)
「速読は不可能」と考える人が持っている、イメージ先行で曖昧な速読の定義
「速く読む」ことと「理解、記憶・暗記」を関連付けずに考える
読むスピードと理解や記憶、暗記に関係性がないということは、速く読んでも遅く読んでも、理解や記憶定着度は変わらないということです。
つまり、速く読んでも遅く読んでも、理解や記憶定着度が変わらないんだったら、速く読んだ方がいいと思いませんか?
学生の試験と違って、「わからない」とか「思い出せない」と思ったならば、もう一度読み直せばいいだけで^^
私はこのことに気づいた時から、読む時はとりあえず速く読むことを意識するようになりました。
そして速く読む癖をつけていくことが、速読トレーニングとの相乗効果に繋がり、実生活で更なる高パフォーマンスが出せるようになったと考えています。
学校で本の読み方を教わる場面は国語の授業くらいしかなく、どうしても読書=国語という印象が多かれ少なかれあるせいか、本を読む=内容を覚えなければならない、と思いがちです。
しかし社会人になると、本の中に答えが書いてあるケースなどほとんどありません。正解を見出すヒントを見つけるために本を読むことが多くなるので、内容を覚えることにあまり意味がなくなってくるのです。
もちろん、何回も「思い出せない」と思って、繰り返し読み直しているうちに、結果的には自然と覚えられるようになっているんですけどね^^;
「理解とは何か?」、「どのように定義づけて考えると、速読というツールを最大限に活かせるか?」のあたりについては、拙著「すごい読書術」または「速読の教科書」も参考にして頂ければと思います。
(ボリュームや図解などの面から、ブログ記事で説明するよりも本を読んで頂いた方がわかりやすいと思いますので・・・m(_ _)m)
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[…] この質問も「速読で文章読んでも理解できない、暗記できないと思っている人へ」の記事で語った考え方と同じで、「難しい」の定義によって対策が変わってくるのかなと思っています。 […]